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アフリカにおける欧州の開発協力の将来はいかなるものになるか。これがOECDの開発センターで2月に開かれた非公式な研究会でMICHEL
ROCARDが行った基調報告において提示された問題であった。『OECD Observer』はこのフランスの前首相に彼の見解の概要を示すよう依頼した。
2000年は欧州連合とアフリカ諸国,カリブ諸国,太平洋諸国(ACP諸国)との開発協力の25周年に当たる。今日までのところ成果はいろいろである。金額で見ると,最新の協定である1995年に署名された第4次ロメ協定は5年間で総額約150億ドルの約束を表しており,71カ国に及ぶとはいえ,やはりかなりの金額である。
モーリシャスは欧州の開発協力を利用して自国の経済成長の促進に成功した唯一の国である。モーリシャス経済は今やテイク・オフを達成した。これは民主的政権が続いたことと地方レベルにおける国家の適切な寄与を賢明に活用したことによる。更に砂糖協定はモーリシャスがその活動を多様化することを可能にし,10年間でGNPを倍増することができた。
その他のACP諸国経済は,いずれも実際にテイク・オフしていないという事実が残る。これら諸国は開発援助がなければ,事態はもっと悪かったかもしれない。しかし,そのような援助を適切なものにすることは依然焦点の急である。欧州の援助は最貧国に集中すべきか。そうすると,我々は各々の国家統計で貧困を認識するというリスクを犯すことになるであろう。それはマリ,ニジェール,コモロだけでなく,ラゴス(ナイジェリア)やアビジャン(コートジボアール)のような都市をもアフリカの最貧地域とすることになるので,完全に間違った見方を与えることになる。また,我々は,ロメ協定がなくなると,これらの国は再び孤立するであろうことに留意すべきである。
開発政策のために,現在の地理的枠組みは南アフリカとキューバの2国を加えても依然有効である。南アフリカはすでにロメ交渉にオブザーバーとして出席している。キューバについては世界のほかの国との関係を改善し,より民主的な体制の導入を助ける潮時である。
欧州の開発協力政策の最大の転換はロメ協定への政策面の追加である。これは3つの領域に亘る。即ち安全保障,人権そして良好な統治である。内戦,クーデター,腐敗,悪政,人種的部族的紛争は,孤立,干ばつ,洪水より遙かに大きな開発への障害である。
危機の防止は安全保障の重要な側面である。それは資金を節約するばかりでなく,人命を助ける。欧州議会はそれゆえ地域的緊張を監視する一団の設立を提案した。イギリス政府もまた,EU加盟国に対し武器輸出者に対する行為基準を論議するよう歓迎する行動をとった。このことは大陸の開発援助を受ける行為基準の問題を超える良好な機会を与えるものである。武器を携行する者(警察,軍,特殊部隊)が,法律,人権,尋問技術のプロセスに関して訓練することは,欧州連合の支持をも受けることになろう。
人権に関し,欧州の開発協力は,よい環境での教育と法律家とジャーナリストを対象とした訓練計画を含むべきである。しかし,欧州が私が民主主義への突進と呼んでいることに,ACP諸国を引きずり込むのではないかと,私は心配している。我々が,我々の資金がどのように使われるか知ることがますます要求されることは,容易に了解できることである。EU資金の半分以上でなくても3分の1が,各国の地方的有力者のポケットに収まるようなことは,確かに受入れられない。実際,アフリカの国家元首のますます多くが民主的に選出されており,アフリカは明らかに人権をより良く保護する方向に向かっていると思われる。しかし欧州の一部の人々が望んでいる程,早く動いているわけではない。
植民地戦争へのはっきりした抗議として政治的に出発したが,私はいま,他人に文明について説教しようとする者に対し,発言しようとしている。彼らは,よく守られた民主主義の文化を持った国に住み,それは200年に及んでいることがある。彼らは,アフリカ諸国が同じ水準の民主主義を早く達成することを望んでいる。これらの国がうまくいかないと援助を停止しようとさえする。
このような態度は極めて非現実的である。民主主義は長い過程を伴うもので,途中でつまづくこともある。均衡のとれた判断とは長期的見方をすることである。
経済について言えば,我々の主な関心はACP諸国が世界市場に参入するのを助けることにあるべきである。アフリカの世界貿易でのシェアは1950年以降,6%から約2%に落ちたが,成長率そのものは,1992〜93年以来5%台に達している。だから,これら諸国がその実績を改善し得るアイデアが(特に輸出については),無視されてはならない。
貿易を振興するため,地域的共同市場を起こすことは良い考えであるが,それだけで充分ではない。アフリカは,大きく2つの地区に分けられる。西部のWAEMUは,フランス語を話す3カ国からなり,南部のSADCは14カ国からなり,英語およびポルトガル語を話す。SADCの中の3国はほかの4つの国と戦争しており,一部の国はひどく孤立している。
現在まで欧州は地域的偏りを持った非対称的政策を実施してきた。しかし,このようなことは新しい世界貿易機関(WTO)の規則では禁止されている。71のACP諸国と15のEU加盟国はWTOで多数を占めているので,我々は国際的交渉過程で永久的ウェーバーをも要求し得たであろう。しかしこのような選択は,すべてのウェーバーが毎年見直されるというWTOの規則の適用を受けることとなる。その結果は関税の不安定性をもたらし,アフリカの開発を大きく損なうことになろう。欧州委員会はWTOに5年間の移行期を要求した。しかし欧州議会の我々は,賢明にも10年の移行期を要求した。多くの孤立したアフリカ諸国はその経済を守るため高関税(60%までの)を課しており,そのような短期でのはげしい変革に耐え得ないであろうからである。
しかし,外国貿易の重要性は全体的関連の中で見られるべきである。開発は何よりも内生的だからである。開発途上国は自国では製造できない資本財である工作機材を輸入する必要性が極めて大きい。しかし,これらの国はいかなるコストを払っても,自らの地域内に過剰開発の地点を作ってはいけない。例えば,アフリカは巨大な自給的製造工場を持っているが,周辺には殆ど波及効果を及ぼしておらず,単に二層的開発を強化しているにすぎない。
負債が,全アフリカ諸国の殆ど3分の2を苦しめている。負債は輸出収入を吸収することがその40%を超えなければ,何とか容認できる。もし,先進国が,途上国がそれを返済できないことを充分知りつつも金を借りられる状況を作ったら,開発は軋んで止まってしまうであろう。従って,開発途上国は,これらの負債の少なからざる部分を現地通貨で清算することが認められなければならない。これは民間企業の資本か(これはすでにIMFがこの考えを認めている),開発プロジェクトの資金調達として行われる。
民間部門が優先されるべきことが認識されなければならないが,公共部門も見落としてはならない。我々は教育,保健,道路が政府の仕事であることを忘れてはならない。アフリカの主たる問題は交通機関(鉄道と道路)にある。それが解決されれば,この大陸は開発への道半ばに達するであろう。だから,我々は論議を深め,より技術的立場から考えなければならない。
成長だけでは充分でない
成長は今まで貧困をなくすのに成功していない。必要なのは,問題に直接対処する特定の手段である。これは,欧州における我々の都市,地域,NGOが提供する非中央集権的協力の促進を意味する。問題が起こった場所でそれに対処することが望ましい。これは資金も少なくてすむので,腐敗することも少ない。我々はまた,零細企業の発展も援助すべきである。というのは,草の根的経済活動で,結局アフリカ大陸人口の70%が生活の資を得ているからである。
貧困をなくす科学的調査は,目的により近づくために進める必要がある。そのことは,例えば食用穀物や家畜の新種開発,あるいは小自作農に対する流滴灌漑の試行などに及ぶであろう。貧民窟では屋根は食物の包装材で作られる。防水パッケージの研究を進めないのだろうか。アフリカは薬品の98%を輸入している。しかし積極的原則からみて,最も豊富な植物群のある大陸である。そしてそのいずれも国内で加工されていない。
もちろん,私はアフリカの将来に若干の不安を持っている。しかし,今までになし遂げた政治的進歩を見過ごしてはならない。大湖沼地域の危機を別にして,大陸の3分の2近くは安定している。モーリシャスと南アフリカは2つの著しい例である。また今,台頭し始めた国々を無視すべきでない。ケニアが権力が委譲された時の政治的安定を維持し,ウガンダがその地域の軍事的帝国主義にかかわらず,賢明に振る舞い,コートジボアールがよい統治と透明性の育成に努めるなら,開発は実際にテイク・オフし得るであろう。
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