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Home OECD Tokyo > OECD Observer 日本語版 > No.217/218


 OECD Observer 日本語版

世界経済の成長は見通し控え目

 世界経済の成長は,2000年にやや加速しよう。OECD諸国では,景気が鈍化するかもしれない。いくつかの開発途上国の状況は改善しているが,新たな危機が生じる恐れはなしとしない。

 世界およびOECD諸国の現在の経済状況は,6カ月前より改善しているように思われる。国際金融市場は沈静化し,ロシアの危機が各所に影響を及ぼすとの恐れは現実化せず,ブラジルの危機も引き続き同地域に限定されている。アジアの開発途上国が回復に向かい,他の非OECD地域の情勢が安定化し始めるのに伴い,世界経済の成長は,1999年においておよそ2.5%と引き続き控え目で,翌年3%に上昇するものと見られる。

 このような全般的状況において金融市場に新たな混乱が生じないとすると,OECD全域の経済成長率は1999年におよそ2.25%で,2000年には2%となろう。ただし,主要地域ごとに状況は異なる。アメリカでは,経済活動は引き続き異例に活発で,成長は速く,失業率は低く,インフレ圧力の兆しもなかった。重要な問題は,アメリカの景気が引き続き長い間この高水準を保てるかということである。株式市場の高い資本化率,極めて低い家計貯蓄率および経常収支赤字の蓄積は,アメリカ経済の不均衡要因が増大していることを示す兆候である。生産量の伸びは,本年約3.5%と見積もられており,2000年には約2%に鈍化しよう。

 輸出の伸び悩みと企業心理の低調さにより押さえられていた欧州連合の経済成長は,消費の上向きおよび金融危機の打撃を受けた諸国における輸出市場の漸次の回復に支えられて加速しよう。本年には平均2%,2000年には約2.5%となろう。ただし,ユーロ地域諸国における景気循環には引き続き大きなずれがあり,大半の国では生産ギャップが急速に狭まり,または消滅するであろうが,ドイツおよびイタリアではギャップが引き続き大きい。欧州連合の失業率は,1990年代の初めにおける景気後退前の時期以来の低い水準である10%に低下しよう。

 日本では,1998年の終わりの数カ月に不況状態が一層悪化したが,最近,今後景気が回復することを示す兆候がいくつか見られる。しかし,現在のところ,企業部門のリストラが続いているため国内需要が1999年に回復する可能性はなく,実質GDPは約1%減少し,2000年に安定しよう。

 残りのOECD諸国については,見通しは様々である。カナダ,オーストラリア,ギリシャ,ハンガリー,アイスランド,ポーランドおよびスウェーデンは好調な成長を続けよう。ただし,いくつかの国では,やや鈍化する傾向が見られよう。韓国では経済活動が活発化し,ニュージーランドでは昨年の景気後退の後を受けて景気回復の足取りが速まろう。これと対照的に,イギリス,ノルウェー,チェコ共和国およびトルコでは,今年の成長は,わずかであるかまたはゼロになろう。デンマークでは,潜在的な成長率を大幅に下回った水準に鈍化しよう。OECD以外の諸国の経済実情は様々であり,2000年には改善が予想されるものの,短期的見通しは思わしくない。新興経済諸国の状況は安定化したように思われるが,危機の影響をこうむった国の大半においては,来年の景気は徐々にしか回復しない見込みである。中国では,成長率はなお高いものの,幾分鈍化しよう。そのほか,ブラジルの実質GDPは減少しつつあり,他のラテンアメリカ諸国にマイナスの要因となろう。ロシアでは,生産量は今年も引き続き減少するものと見られる。現在のところ,コソボ紛争による直接の経済的影響は小さいようであるが,ある程度の不確実性が残ろう。

 いくつかの新興経済諸国で,新たな騒乱が生じる恐れが存在する。ブラジル情勢が再び悪化する可能性がある。ロシアの経済情勢も悪化する恐れがあり,その影響は地域全体に及ぶであろう。また,中国経済の成長鈍化は,当初予想されたよりも長く続く可能性がある。

 新興経済諸国における過剰設備能力と低調な需要のため,国際価格には引き続き下方圧力が働くであろうが,世界的なデフレが生じる可能性は低くなったように見える。


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