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人間の都市に対する愛憎関係は21世紀も続くだろう。愛というのは,都市は成長と発展のための不可欠の一部,創造的な人間の文化の生気溢れる一部でありつづけているからである。憎というのは,今後もうんざりするほどの環境汚染や過密,混雑,犯罪などの諸問題の管理を要求しつづけるであろうからである。おそらく,こうしたコストは増大を続けるだろう。しかし利益もまたそうである。
1995年から2025年までの30年間に,世界の都市人口は26億人から52億人へと2倍に増大すると考えられている。この増加の大部分は開発途上諸国で生じ,ここでは2025年には40億人余り(全人口の半分以上)が都市に住むことになる。1990年代初めには15億人(37%)だった。特に重要なのは,メガシティと呼ばれる巨大都市の成長である。事実,2015年までに全世界で36ないしそれ以上の都市が人口800万人を超えるようになる。そのほとんどは開発途上諸国の都市である(地図を参照)。
短期的には,都市の急速な成長は,都市内部における人口の高率の自然増加によって加速され,農村地域からの高水準の人口流出が促進する。これは農業その他の一次産業から工業およびサービス業への漸次的移行を反映するものである。長期的には,出生率の低下と,人口の多くが都市に集中する結果としての都市化のプロセスそれ自体の鈍化によって,都市の成長はやがて緩慢化してゆく。例えば,世界で最も急速な人口増加を経験している西アフリカでは,1990年から2020年までの間の都市人口の増加率は,それまでの30年間の年率6.3%から同4.2%へと低下するはずである。
出生率の低下も,労働年齢人口の顕著な増大をただちに阻止するものではない。1990年から2025年までの間に10億もの新しい雇用先が必要となる。非農業労働力が農業労働力よりも3倍も早く増大すると予測されるために,こうした雇用先の大部分は都市で創出されなければならない。
特に,新しい雇用先の大部分が集中する非公式部門の育成が配慮されなければならない。小規模製造業やサービス業,商業などである。貧しい労働者の生産性を引き上げることが重要な助けとなる。西アフリカの諸都市では,非公式部門は,地域総生産の23%を生み出すにすぎないが,2020年までに人口の44%を吸収することができよう。
世界の都市における人口爆発は,広範囲の貧困や排斥,欠乏などの深刻な社会問題をもたらす。その是正措置が必要である。それは,教育や医療,栄養,家族計画,職業訓練などの基礎的なサービスを提供する包括的な社会的措置と組み合わせて実施されなければならない。
開発途上世界の都市におけるの環境上のリスクは極めて重大である。防護施設の不足,衛生状態の悪化,劣悪な水供給,大気汚染,市街地の交通渋滞など,ありとあらゆる問題が予想される。巨額の投資によって最悪の事態は防止できるが,そのためには全世界で毎年1,000億ドルから1,500億ドル規模の出費が必要である。その主要部分は中央および地方の政府収入から賄われる。その一部は,外国からの直接投資を含む民間部門によって支出される。政府開発援助は,最近の減少傾向が大幅に改善されないかぎり,せいぜいのところ追加的な役割を果たすにすぎない。
都市が提供する機会
こうした諸問題のゆえに,将来の世界経済における都市の役割を否定し,新しい技術のもとでその消滅さえ予測する人も多い。しかし,都市のもつ可能性は巨大で,都市化は,特に全体的なスペース・プランニングとの関連で,開発途上諸国に重要な機会を提供する。農村から都市への人口移動を巧みに誘導することによって,周辺的な農地に対する破滅的な人口圧力を軽減することができる。都市そのものにおける開発に焦点を当てることによって,全体として,交通や廃棄物処理,そしてもちろん産業活動の面で,規模の経済性を実現することができる。そして,たとえ新しい技術によって分散化の対抗的な力が働くようになるとしても,排ガス防止や電気通信などのほかの技術革新が都市の魅力をいっそう高める。従って,情報・通信技術が将来,経済活動のいっそうの地理的分散化をもたらすとしても,都市化の進行は経済発展の主要な原動力でありつづけるだろう。
実際,都市の重要性は21世紀には更に高まるだろう。その一つの理由は,新しいグローバルな経済という開放的で競争的な国際的空間において,都市がその存在をいっそう際立たせることである。都市の重要性は,グローバルな都市ネットワークの形成によって更に強化される可能性がある。こうしたネットワークは,国際的な市場を活用するいっそうの行動の自由を都市に与え,国境を越えた新しい経済的結合を作り出す。都市は,政治的にも構造的にも,それ自身の地域的ないし国内的な後背地によってというよりも,こうしたネットワークによって強く条件づけられる。こうしたネットワークは,知識と最善慣行の移転を促進するための,また政策の革新とプロジェクト開発を促進するためのハイウェイとして,更に経済的協力の触媒として機能しよう。開発途上諸国の都市は,こうしたネットワークを活用し,脇に押しやられるのを回避するために,これに「接続する」ことを決断せねばならないであろう。それゆえに,サンパウロや北京といった都市は,パリやロンドンなどと同じようにこのネットワークの一部を構成するように努めなければならない。このことは,バイアブランカやボルドーといった中規模都市も同じである。ネットワークで結ばれた都市は,可能性と多様性に恵まれ,われわれすべてが追求すべき都市の未来を明らかにする(Learning
Citiesに関するSocietyの記事を参照)。
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