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Home OECD Tokyo > OECD Observer 日本語版 > No.219


 OECD Observer 日本語版

シアトル関係閣僚会議とは何か?

 その正式名称は第3回WTO関係閣僚会議である。閣僚会議はWTOの最高決定機関で,この組織の設立憲章であるマラケシュ世界貿易機構設立協定に従って「少なくとも2年に1回」開催される。WTOそれ自体は,「関税と貿易に関する一般協定(GATT)」の後継組織として1995年1月1日に設立された。

 シアトル関係閣僚会議は,国際貿易の自由化を継続し,一部の現行貿易ルールを見直すための新しい重要な交渉の開始を告げる。WTOの現行協定は1986〜94年のウルグアイ・ラウンドの結果である。この協定は世界の貿易ルールの重要な改革と貿易障壁の大幅な削減を意味したが,参加国の多くは貿易システムのいっそうの改善を望んだ。特に,サービス(サービス貿易に関する一般協定,GATS)と農業に関する協定は,2000年初めまでに新しい交渉を開始することを定めている。この2つの分野は新しい交渉の中心となる。

 以上に加えて,WTO加盟諸国の多くがほかの諸問題を交渉に含めることを提案している。9月半ばまでに150件以上の提案が提出された。その対象は,農業とサービスのほか,関税,反ダンピング,補助金,保護措置,投資,貿易促進,電子商取引,競争政策,漁業,政府調達の透明性,技術援助,能力形成その他の開発問題,知的所有権保護,その他多数におよんでいる。

 提案の多くは,特に交渉を求めたものではなく,他の重要な問題についての作業プログラムに関係している。その多くは,ウルグアイ・ラウンドの結果が効果をあげ,あるいはそれが実施される過程で,この4年間に多数の国の関心事項として浮上した。開発の最も遅れた諸国による豊かな諸国の市場へのアクセスを容易にし,また1997年にWTOとその他のいくつかの国際組織が設定した総合的枠組みのもとで実施される開発の最も遅れた諸国に対する技術援助の作業を更に促進するために,シアトル会議で特別措置を定めることも提案されている。


ミレニアムの予定表

 7年間のウルグアイ・ラウンドが1986年のプンタデルエステ関係閣僚会議で始まり,6年間の東京ラウンドが1973年の東京会議で始まったように,シアトル関係閣僚会議が新しい交渉の開始を告げるものであることを明確にすることが重要である。シアトル会議後,実際の交渉や作業プログラムがWTO本部のあるジュネーブで始まる。多くの国がこれらの交渉に3年間の期限を提案している。過去の経験は,大規模で複雑な交渉を定められた時間内に完了させることが必ずしも容易でないことを示している。

 それほど困難ではない提案は早期に合意に達することが可能である。これらの問題も世界貿易にとっては重要である。しかし,大きな問題は交渉に数年を要するだろう。同時にいくつかの諸国は,ウルグアイ・ラウンドの結果が現在どのように実行されているかをシアトル会議で慎重に検討することを望んでいる(Arne Rodinの論文を参照)。これは多数の国が関心を示している領域でもある。例えば,開発途上諸国は反ダンピング措置や補助金,繊維・衣料に関する協定の実施状況の点検を望んでいる。

WTOインフォーメーション:http://www.wto.org. による。
OECDの特別ウェブサイト:http://www.oecd.org/ech/Seattle.htm も参照。

コラム: 電話料金と自動車価格を高くする保護主義

 チリでは,電気通信市場の限定的な競争でさえ,1989年から1994年までの間に市内通話料金を36%,遠距離通話料金を38%,国際通話料金を50%,それぞれ低下させた。1995年末までにチリからアメリカへの通話料金は,隣のアルゼンチンからアメリカへの通話料金のおよそ7分の1以下になった。

 1981年初めにアメリカが日本車の輸入を制限したとき,アメリカの新車価格は1981年から1984年にかけて平均して41%上昇した。これは同じ期間の全消費者物価の平均上昇率の2倍近くだった。自動車業界はこの価格上昇が2万2,000人の職を「救った」と主張したが,その後の販売台数の減少によって自動車産業は1980年代末に5万人の労働者をレイオフしなければならなかった。

 オーストラリアの数字は,1988年の関税がまだ適用されていたとすれば,輸入車の価格は現在よりも約25%も高くなっていたことを示す。これは1台当たり5,000オーストラリアドルから2万オーストラリアドルに相当する。自動車,衣料,履物に対する保護関税を合計すれば,オーストラリア国民の負担増は1所帯当たり年間1,173オーストラリアドル,週に23オーストラリアドルになる。

Open Markets Matter, OECD, パリ, 1998年からの引用。


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