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21世紀になると,物質および製品のリサイクリングは,着実に重要性が高まる。経済専門家は,閉鎖された物質サイクルを,一次原料の利用の縮小と持続的な経済発展の確保を同時に達成する生態的,また経済的に効率的な方法であるとみなしている。現在,家庭や小企業から出る使用済み包装材について,包括的閉鎖サイクル経済の原型がすでに存在する。この分野で実現したことは,産業の他の分野のモデルになり得る。
一方,ドイツ環境アドバイザー協議会は,有限の一次原料の利用の減少は,例えば原油をベースとする製品の価格に2010年以降大きな影響を及ぼすと見ている。他方,ダルムシュタットのO¨ko
Institutによる最近の予測によれば,ドイツで排出されるプラスチック廃棄物の量は,様々な部門におけるプラスチック使用量の増加により,2005年には約600万トンに達する(1995年にはわずか370万トンであった)。それだからこそ,原料をできるだけ長い間循環させておく必要があるのである。
原料の管理
生態的,経済的,社会的に持続可能な開発を達成するためには,まったく新しいアプローチが不可欠である。我々に残された天然資源を効率的に利用する一方で,経済需要も考慮に入れる必要がある。効率的なリサイクリング体系を確立することは,持続可能な開発にとって不可欠の要素である。使用済み包装材の回収から出てくる二次原料の量は,もとより,原料の不足を補うには十分ではない。しかし,包装材のリサイクリングはまだ始まったばかりである。別の製品や原料が出てこよう。例えば,欧州連合全体でのプラスチックのリサイクリング率を高めれば,原油の節約度も高まろう。長期的には,原料管理の生産過程への統合により,生産サイクルへの原料の循環が容易になろう。
ドイツの例
1991年以降,ドイツでは,人口が集中した都市や農村地域における使用済み販売用包装材の全国的な回収,分別およびリサイクリングを可能にする総合的インフラストラクチャー(「デュアル・システム」)を開発してきた。持続的な資金手当モデル(緑の点)は,企業に対し,リサイクリングに配慮した包装材を開発・生産し,従って間接的生態コストを削減するインセンティブを与える。これは,実質リサイクリングコストを製品価格に内部化することによるものである。
プラスチックを原料油に代行することやメカニカル・リサイクリングのために先駆的技術研究が以前も現在も続けられている。1999年には,約61万トンのプラスチックがリサイクルされた。このシステムが始められた時は,例えば紙の場合と異なり,プラスチック包装材については処理工程や設備がなきに等しかった。従って,第1段階は,生態上の必要条件や法的要件を満たす処理工程を開発することであった。この作業は完了した。現在は,処理工程のコストを大幅に安くし,処理されたプラスチックから市場性がある製品を作り出すことに重点が置かれている。現在,例えば製鉄所での銑鉄の生産などに混合プラスチック塊が利用されており,リサイクルされたプラスチック製品は,市場で成果を上げている。処理されたプラスチックのリサイクリングに支払われる補助金が削減されたことやコストが下がり始めたという事実は,このシステムが経済的に効率的であることを示すものである。
エコ効率
目標は,市場における競争力を確保するために経済的な処理工程を用いて多用途の二次原料を作り出すことである。これは,技術的発展がコストを最小限に抑えるのに役立つ。現在,システムの中で最もコストがかかる分野,すなわち軽量の包装材の分別およびプラスチックのリサイクリングの分野で解決方法を見出す目的で技術開発を推進している。ドイツ全国でハイテクの分別プラントを利用することにより,使用済み包装材の分別・処理のコストが50%削減されるので,このような投資は成果を上げることだろう。同時に,材料の品質の向上により,リサイクルされたプラスチックの応用分野が広がろう。
ドイツにおける最初の世界博覧会であるハノーバーのEXPO2000において,産業的規模の全面自動化された最初の分別プラントであるSORTEChnology3.0が操業を開始した。同プラントは,EXPOを訪れる推定4,000万人の見物客が出す軽量包装材廃棄物を処理する。
用いられるすべての処理工程は,そのエコ効率に基づいて選択される。リサイクリングから生じる生態的効果も経済的に評価する。このシステムにおいては,新しい技術を継続的に最適化し,開拓するために,中規模企業や発明者をも活用する。プラントでは,まったく新しい処理工程コンセプトを試してみることができる。このような協働作業は,包装材リサイクリングに新たな展望をもたらし,また,他の材料にもスピンオフ効果を及ぼそう。メカニカル・リサイクリング,供給原料リサイクリング,そしてエネルギー回収等の可能性が出てきたため,我々は,それぞれの場合について生態的に最も適切な処理工程を選択する所存である。
プラスチックの焼却とリサイクリングとの間の経済的な差は縮まりつつあり,昔ながらの,コストに基づく焼却支持論は勢いを失おう。メカニカル・リサイクリングや供給原料リサイクリング技術により,エネルギー効率が遙かに高くなっている。O¨ko
Institutによれば,デュアル・システムによるプラスチック・リサイクリングのコストは,現時点での社会的に望ましい他の環境保護措置のコストとほぼ同等のレベルであり,ここ数年で大幅に低下する見込みである。
閉鎖サイクル経済
使用済み販売用包装材の分野で達成されたことは,他の産業分野にも段階的に及ぼすことが可能であり,また,及ぼさなければならない。
他の産業分野は,将来に向けて備えがあり,環境保護および天然資源保全に協力する用意があることを示す必要がある。ドイツリサイクリング・廃棄物管理法に基づく条例には,製造物責任の原則が掲げられている。中古車や使用済みバッテリーについては,1998年以降,返却およびリサイクリングのルートが存在する。他のものについてもルートが形成されよう。
車両やコンピュータ部品のリサイクリングには,現在解決不可能な技術的問題はない。使われている材料のほとんどはリサイクル可能である。例えば,風防からの金属やプラスチック,ガラス,更にチューブなどである。政治上の要求,公衆の要求および産業部門の統合と,新しい返却システムや分別・リサイクリング技術とが相俟って,将来の廃棄物の増加を抑えるのに役立とう。今日では,製品に寿命が来た場合,すぐに埋め立てや焼却にまわすことはない。むしろ,再び利用できる原料として扱われるのが普通になっている。
生産とリサイクリングとは,同一の付加価値プロセスの不可欠の構成要素とみなされるべきである。残留物が出ない完全な閉鎖サイクル経済が近い将来実現可能であるとは考え難い。しかし,我々は,二次原料の利用を促進し,できる限り一次原料の利用を減らさなければならない。
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