English Chinese Korean
OECD東京センター
BUILDING PARTNERSHIPS FOR PROGRESS

OECD案内
OECD概要
テーマ別情報
主な行事予定
過去のニュース
メール配信サービス

OECD東京センター
概要
アクセス
イベント・セミナー
閲覧室
広報誌
日本語出版補助
プログラム






BUILDING PARTNERSHIPS FOR PROGRESS

Home OECD Tokyo > OECD Observer 日本語版 > No.221/222


 OECD Observer 日本語版

マン島:競争的でしかも協力的

THE HON.R.K. CORKILL
MHK, MINISTER FOR THE TREASURY, ISLE OF MAN

 マン島は,対内的自治権を有するイギリス国王の属領である。このほど新しい課税戦略を発表したが,この戦略は,国際サービスセンターとしての島の競争力を維持する一方で,OECDとの協力関係を続けるものである。

 マン島政府は,名声が高く責任ある管轄区域の政府として,OECDの「有害な租税競争」イニシアティブに積極的に対応している。もっとも,このアプローチの若干の側面については留保せざるを得ないが。我々は,このイニシアティブにより,租税措置に関して何が受容可能で,何が受容不可能であるかについて新しい国際基準が生まれる可能性があることを認め,今後の5年間にかかる租税戦略を策定する際にこのことを考慮に入れた。

 マン島自身のスケジュールに従って策定されたこの戦略は,2年に亘る作業の集大成である。この戦略は,国際事業と国内事業との間に租税待遇の一貫性を確保できるよう「範囲限定」制度をもとの水準に戻していくことにより,また,近代的な二重課税協定により情報交換を拡大することにより,OECDの懸念に対処するものである。マン島政府は,OECDとの間に始められた建設的な対話を継続するとともに,租税競争問題が発展する中で今後の討論において十分役割を果たしていく所存である。

 島の金融サービス業が国際的基準にのっとって運営されるようにするとともに,この基準の下で競争力があり,かつ公正な租税制度を維持するのがマン島政府の政策である。新しい戦略によって企業および個人に対する標準収益税率が引き下げられるが,この戦略の重要な推進要因となっているのは,他の国際サービスセンターに対して競争力を維持することにより,島自身の経済利益を保護する必要性である。

 ここ数カ月の間,世界の小規模な金融センターに強い関心が集まっている。この関心の一部は,資金の移動を容易にする金融市場の自由化および技術の進歩に特徴づけられるグローバルエコノミーにおいて,これらのセンターにどのような役割と存在意義があるかに向けられた。

 有害な租税競争と闘うことを目的としたOECDと欧州連合のイニシアティブは議論に油を注ぎ,以下のとおり,はなはだしい小規模センターの定型化が行われた。

  • 小規模センターは,そのポジションを活用して,金融業をより広範な地域から引き寄せるための租税体系を創設する。

  • 手ぬるい規制,秘密主義および非協力が国際的に幅を利かせ,犯罪活動をはびこらせる。

  • 小規模センターは少数者の利益のために存在し,かつ経済的利益が大衆を潤さないような分裂社会を基盤としている。


 小規模金融センターは,あるいは広範な地域の中の飛び地として,あるいは自律的な存在単位として,世界中に存在する。センターは,金がある場合もあればない場合もある。また,正当な金融業を営んでいる場合もあればそうでない場合もある。センターは個々に判断されるべきであり,先の定型化はこのようなセンターへのアプローチとしては不正確かつ不適切である。

 マン島は,清廉さを伴った正当性と,社会的コンセンサスおよび国際的枠組みの中で活動する意欲とを結び付けて,21世紀の小規模金融センターのモデルとなるように意図的にそのスタイルを目指した小規模金融センターである。

 マン島政府は,金融センターが世界市場に地位を確保するために,次の5つの特徴を発揮しなければならないという考えに基づいて開発に努めている。

  • 本質的正当性:センターは,人為的な創造物であってはならず,その歴史に根付いた自主的正当性がなければならない。マン島は,かつてイギリスに属したことがない古い王国であり,対内的自治権を有するイギリス国王の属領である。

  • 高い水準の規制:規模の大小を問わず,規制が不適切な金融センターは,21世紀には存在の余地をなくすべきである。マン島政府は,その金融サービス業において高い水準の監督および規制を確保することにコミットしている。この規制の質は,内務大臣により委託され,1998年11月に公表された国王属領における金融規制の独立レビュー(エドワーズ・レビュー)により証明された。

  • 国際協力:資金を国際的に,すみやか,かつ簡便に移動させることができるということは,犯罪者にとって役立つ。犯罪者に対して効果的に闘うためには,各国が素早く協力することが不可欠である。エドワーズ・レビューにより,マン島の法制,なかんずくマネーロンダリングおよび国際協力に関する法制の質の高さ,ならびに,犯罪の追及における国際協力についてのマン島の意欲および実績が証明された。

  • 信頼性が高い租税体系:いずれの金融センターも,その企業に競争力を持たせるような租税制度を持つ必要があるが,租税制度には正当性と信頼性がなければならないという認識が国際的に高まっている。マン島は今後ともその企業の競争力を保護していくが,タックスヘイブンになるわけではなく,有害な租税競争に関する目下の議論から生じつつある国際的規範および基準の変化に建設的に対応していく決意を固めている。マン島は,所得税に加え,イギリスと同等の包括的な付加価値税および国民保険の体系を有し,バランスのとれた課税制度を設けている。

  • 社会的に信頼性がある公共サービス:国が税金の安さを基礎として国際競争をすることが,税金の安さのために資金不足が生じて公共サービスが不十分になることを意味するのであれば容認できない。マン島の1人当たり国民所得はささやかでイギリスの国内平均より低いが,公共サービス(なかんずく保健,教育および福祉にかかるもの)は,少なくともイギリスと同等の水準にある。島の拡大する繁栄の利益は住民全体が享有するべきであるというのがマン島政府の一貫した政策である。


 マン島は,グローバルエコノミーおよびそれにおける金融センターの正当な役割についての国際的な認識の変化に適応してきた小規模金融センターの一つの事例であると言える。マン島には,清廉性,高い質および社会的団結の風土においてすぐれた事業を行えるような,バランスが取れた信頼性のある環境が存在する。

 マン島政府が提案している新しい租税戦略は,21世紀における小規模金融センターのあるべき姿についての我々のビジョンを反映するように設計されたバランスのよいパッケージとなっている。確かに,租税体系には競争力がなければならないが,信頼性があって,略奪的でないものでなければならず,かつ財務上のものであれ,マネーロンダリングであれ,詐欺であれ,麻薬関連であれ,国際的な金融犯罪を打破するために各国が協働する必要があるという認識がなければならない。この戦略はこれらすべてを包含しており,マン島を小規模金融センターのトップに置くものであると我々は考えている。■


目次

Top


OECD文書
出版物
 
- 今月の新刊
- テーマ別出版物
- Standing Orders
- 定期刊行物
- CD-ROMリスト
- 日本語版リスト
- 出版物購入方法
- 書籍の正誤表
SourceOECD
主要統計
公開文書

Online Book Shop Source OECD OECD政策フォーカス OECDオブザーバー

パリ本部サイトお問合せ検索採用情報

Copyright OECD Tokyo Centre. All rights reserved.