すべての人のためのよりよい世界
DONALD J. JOHNSTON, OECD事務総長
KOFI A. ANNAN, 国連事務総長
JAMES D. WOLFENSOHN, 世界銀行グループ総裁
HORST KO¨HLER, IMF理事長
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どのような形態であれ貧困はすべて国際社会の最大の挑戦課題である。特に懸念されるべきは,1日1ドル未満で生活する12億の人々,そして1日2ドル未満で生活する更に16億の人々である。
貧困を減らす目標の設定が前進のために不可欠である。本報告書に示される開発目標は,1990年代の国連の世界会議やサミットを基礎とする,世界全体のための大目標である。それは,貧困の多くの側面とその人間生活に対する影響のいくつかを対象としている。これらの目標を受け入れることによって,国際社会は世界の最も貧しい人々,最も弱い人々――そして自分自身――に対して責任を負う。
目標は具体的に設定されている――説明責任を明確にするために数字で。こうした数字の明快性と透明性は,目標を達成するための進路を明らかにし,前進の跡をたどる助けとなる。しかし,人間は数字ではなく,幸福は統計ではない。これらの目標に意味があるのは,それが人間の生活の質を向上させるからである。60億人,そして2015年には70億人を数える人々にとって,世界はより良く,より安全になるだろう。
目標は強制できない――採用されなければならない。各国は,みずからの目標を明らかにし,独自の開発政策を定め,国民との対話を通じて責任を引き受けなければならない。その際,国際社会の援助が重要な意味をもつ。高所得の国々は,その資源の大きさのゆえに,多くの貢献ができる。
この開発の努力においては,パートナーのすべてが持続可能なより急速な開発の戦略を追求することが不可欠である――貧者のために。効率よく支出する――無駄を防ぎ,説明責任のメカニズムが常に働くように。効果的に支出する――過剰な軍事力や環境破壊のプロジェクトに対してではなく,人間と社会と経済の発展を目指す諸事業に。そして賢明に支出する――民間セクターによって最も効果的に遂行できる事業に公的資源を投じることのないように。
障害となるのは何か? ガバナンスの弱さ。間違った政策。人権侵害。紛争と自然災害,その他の外的ショック。HIV/AIDSの蔓延。所得や教育,保健医療の格差,男女の不平等を解決できない無力。
これだけではない。グローバルな市場への開発途上諸国のアクセスの限界,債務の重荷,開発援助の減少,そしてときには援助政策の首尾一貫性の欠如なども,急速な前進を妨げる。
こうした障害の克服には何が必要か? 真のパートナーシップ――あらゆるレベルで貧困をなくすための持続的な努力。われわれ各国際機関は,その政策とプログラムを導き,その有効性を評価するための枠組みとして,こうした開発目標を積極的に活用している。貧困との戦いに負けることはできない。戦いに勝つという一致した願いが揺らぐことがあってはならない――すべての人のために。■
* "A Better World for All" (2000年発表)
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